2008年8月23日
告白:湊かなえ:双葉社
最後までダレルことなくいっき読みした。中学校教師の娘の死にまつわる謎解きと復讐の物語であるが、関係者複数人による一人語りの形式をとっており、これが不思議と緊迫感が連続し飽きさせない。物語はどんどん暗くやりきれない形で展開されてゆくが、あまり陰惨な感じは受けない。作者の力量であろう。本作品がデビュー作とのことであるが、次回作が期待される。
投稿者 芋焼酎 | コメント(363)
2008年8月2日
時が滲む朝:楊逸:文芸春秋
今年の芥川賞受賞作。中国人が書いた小説。初めての外国人芥川賞受賞。話題性だけかと思ったが、面白く読めた。最近の芥川賞受賞作はあまりにも狭い世界の日常生活や極端な思い込みを書いたものばかりが続いていたので少しほっとした感がある。中国人受験生を主人公にして天安門事件前後から最近のオリンピック開催前までを、青春の瑞々しい感性の輝き、希望、挫折から再出発までを端正な日本語でつづられており大変読みやすい。日本語を母国語としない人が書いた文章とは信じられないくらいである。終章で主人公の教師だった人物が中国に帰ってゆくシーンで、息子からの手紙を主人公に見せるのであるが、その手紙の文章わずか数行の中にこの物語のすべてを凝縮した感があり感動した。
投稿者 芋焼酎 | コメント(5)
